卒業写真 荒井由美
悲しいことがあると 開く皮の表紙
卒業写真のあの人はやさしい目をしてる
町でみかけたとき 何も言えなかった
卒業写真の面影がそのままだったから
人ごみに流されて 変わってゆく私を
あなたはときどき 遠くでしかっって
卒業生、父兄、教職員、来賓がみんな入っているにもかかわらず、咳払いひとつするのもためらわれるほどのしーんとした防衛医大の講堂で、指揮官の号令のみがやたら大きく聞こえ、とても気持ちがしゃんとして、自分の29年前の卒業式をぼけた頭の中で思い出していた。。。
目を閉じると29年前の自分がそこにいるようで、34期生(ワシは5期)のこれからの前途を祝したいと思った。。。