上新井くろかわクリニック 黒河圭介

上新井くろかわクリニック院長 黒河圭介のブログ

母ちゃん 復活!

わしの母ちゃんは今年91歳になる。 

 

昨年の11月初めに自宅で便所に行くときにこけて大腿骨頸部骨折となり、広島市民病院で手術をしていただいた。 術後はリハビリ病院へ転院し、3か月のリハビリを終えて2月23日に退院してきた。 リハビリのおかげで、元通りとはいかんがどうにかこうにか歩けないまでも自分で便所に行くことはできるようになったようじゃ。

 

コロナの影響で見舞いに行きたくとも会うことができず、やっと今週末に広島の実家に会いに行ったのである。 

 

リハビリ病院は4人部屋じゃし、母ちゃんは耳が遠いので電話もできず、毎日のようにラインでやり取りをしておった。 うちのクリニックにも高齢者の患者さんは多いが、90過ぎてラインをきちんとできる高齢者をわしは見たことがない。

 

母ちゃんからのライン ↓

 

『2月24日。昨夜は久し振りに3丁目の家で、〇子(わしの妹)と2人 ゆっくり良く眠りました。やっぱり我が家はいいです。今日は一日 たまっていた郵便物、書類等々少しずつかたずけたりしました。〇子が自分の家とウチとをを自転車や車で往復して こまめに助けてくれてありがたいです。日曜日には昼ご飯を一緒に食べようと、みんな楽しみにして待ってます。いっぱい送ってもらってありがとう。いっぱい送ってくれたので皆にもお裾分けして喜んでいます。ありがたいです。気をつけて帰って来て下さい。私は少しスマートになりました。』

 

母ちゃんは、リハビリ病院ではヌシのようになっとったみたいで、病院の勢力分布の様子や理学療法士に世話になった話や病院の飯がいかにまずかったかをいろいろ話してくれた。 

 

日本の医療はとにかく死なせないことを善として、老い先短い年寄りに こけるので歩いてはいかん、誤嚥するのでパンは禁止、ご飯もどろどろのご飯、感染するので家族とも会ってはいかん、同室者とも話してはいかん。と制限だらけだった様じゃ。 

 

わしも医療者の端くれとして考えさせられることも多い。

 

母ちゃんはあと何年生きるかわからんが、不自由があるとも住み慣れた実家で好きなことをして好きなものを食って、まだまだ一人暮らしを続けるつもりの様じゃ。

 

父ちゃんはもちろんとうの昔に、自分の兄弟や同年代の親戚もみんな鬼籍に入ったが、もう少し頑張るようじゃ。 

 

妹がすぐ近くにいて母ちゃんの安否を確認してくれるのはほんまにありがたい。

 

GWにはうちの子たち孫たちみんな連れて行くけ~ 元気にしとりんさい、と言って所沢に戻ってきた。

 

わしら兄弟と母ちゃんはよう似とるとよく言われる。

あんたも年じゃけ、体に気をつけんさい、と自分のことは棚に上げて説教ばかりをたれる。